玄々堂君津病院

当院の特徴

消化器診療

 

玄々堂君津病院院長 池田 重雄

消化器疾患の診療

様々な疾患のなかでも、消化器疾患は、身近で患者数の多い疾患です。

胃、食道の疾患

上部消化管(食道、胃)では、最近話題の「逆流性食道炎」、「胃のポリープ」、「潰瘍」がよくみられる疾患です。さらに近年は、胃のヘリコバクターピロリ感染のことも次第に研究がすすみ、潰瘍、癌との関連性等も明らかになってきています。
現在では、胃、十二指腸潰瘍、MALTリンパ腫、過形成ポリープに加えて、慢性胃炎でのピロリ菌除菌の保険診療が開始されました。これら疾患に関しては、状況に応じて、上部内視鏡検査(胃カメラ)を併用し、診断、治療可能な体制にしております。消化器科担当医、総合内科にて治療可能ですので、お気軽におたずねください。

胃がん、大腸がん

現在の日本人の死亡原因の第一位は癌(悪性腫瘍)です。中でも消化器の癌は多く 胃がん(男性 1位、女性 3位)、大腸がん、(男性 3位、女性 2位)です。
下部消化管の大腸にはポリープが発生します。このポリープの多くは「腺腫性ポリープ」といって、成長すると大腸がんに進展することがわかってきています。
これらの消化管疾患には、診断、治療に上部、下部内視鏡検査(大腸カメラ)が必須です。治療へと円滑に診療できる体制を整えております。

肛門部の疾患

消化管の最終部位である肛門部もポリープ、痔等、症状、愁訴の多い疾患がみられます。ポリープの内視鏡診断、その後の内視鏡治療、もしくは手術等も迅速にできる体制にしております。
痔疾患に対する治療では、ジオン注射という治療方法が当院でできるようになりました。この治療方法では、患部を切除することなく、肛門の痛みを感じない部分に注射をして、患部を硬化・縮小させる治療です。切除する術式に比べ、痛みが少なく、患者さんへの負担も軽減できます。

肝臓、膵臓、胆のうの疾患

実質臓器である、肝、胆のう、すい臓にも、多くの疾患があり、よく知られた良性疾患では胆のう胆石があります。これは油もの摂取後の腹痛発作、発熱等の症状で発見されます。従来は外科手術で摘出することが一般的でしたが、現在は腹腔鏡下の手術が主流になっています。
当院では、「単孔式」の手術が可能になっています。「単孔式」とは、通常4~5箇所の孔からカメラや器具を挿入するところを、1箇所の孔で行うものです。患者さんの負担も少なく、術後の傷も目立ちにくくなる術式です。

施術中

単孔式腹腔鏡手術

術後の患部

単孔式腹腔鏡手術(術後の患部)

 

肝、胆道、膵臓、これらの疾患に対しても、初期診断、その後の治療が迅速におこなわれるような体制にしております。

消化器疾患の治療の実際

医学の進歩と、国の衛生管理の強化により、数々の疾患が克服されてきました。しかしながら、まだまだ乗り越えることのできない疾患は存在します。悪性新生物、つまり「癌(ガン)」は現在の医学の課題の一つであり、近年の高齢者の死因の第一位となっています。
癌は人体の各種の臓器に発生し、それぞれ症状を呈し、治療法も多岐にわたります。治療期間も長期化し、各科の連携も大切になります。ですから、すべての治療を簡単に一つの病院で加療することはなかなか困難になってきています。
当院では、消化器癌についても、検診や消化器症状出現後の精密検査、そして診断。治療においては、内視鏡治療、手術を含む外科治療、化学療法(抗がん剤治療)を提供できる体制が整っております。
治療困難症例に関しては、近隣の病院、もしくは患者さんの希望に応じて御紹介させていただくこともあります。個々の疾患の治療方針については、現在学会の提唱する癌治療ガイドラインがあり、当院での治療方針も基本的にはこのガイドラインにのっとって行われます。

以下簡単に症例を提示致します。

胃癌には、バリウムによる食道胃透視検査、もしくは上部消化管内視鏡、そして必要に応じてCT検査が施行されます。【写真1】に、食欲不振にて発見された進行胃がん症例をお見せします。

バリウムにての胃透視で胃体上部か下部までの大彎中心の胃壁の伸展性低下、硬化像を認めます。この症例では、CTにて全周性の胃壁肥厚像を認め、腹膜播種が強く疑われたために、手術前に化学療法施行後に根治手術が施行されました。

【写真1】

 腹部CT1腹部CT2

大腸癌には便潜血反応、その結果により大腸内視鏡が施行されます。【写真2】には腹痛にて発見された大腸癌を提示します。この症例は、腹痛、腹満という腹部症状があり、大腸内視鏡検査前のニフレック那内服後に腸閉塞となり、CT、内視鏡にて進行した大腸癌が発見され、根治手術が施行されました。進行癌症例の方も根治手術が可能なことも多いですが、再発症例もすくなくありません。早期癌の60%は無症状であるとの報告もあり、やはり早期発見には検診はかかせません。

【写真2】

消化器診断

 

【消化器疾患担当医】

池田重雄院長、大﨑慎一副院長、長谷川誠外科部長、矢島健広消化器内科部長、工藤真司移植・腎臓外科部長、北岡斎血管外科部長、島田拓消化器外科医長