当院の特徴

血管外科

血管外科部長 佐藤 和弘

当院の血管外科では、急増している大動脈瘤や閉塞性動脈硬化症、下肢静脈瘤、深部静脈血栓症などの血管疾患を対象に治療を行っております。バスキュラーアクセス手術に関しては、総合腎臓病センターにて施行しています。

動脈瘤

動脈瘤は、動脈硬化や炎症などにより弱くなった動脈が拡張することで形成されます。普段はほとんど無症状ですが生命にかかわる病気ですので、瘤が破裂する前に治療する必要があります。治療は小さな瘤の場合、厳重な血圧の管理と食事療法を含む生活習慣の改善が重要で、定期的な瘤の大きさのチェックが必要です。一般的に胸部大動脈瘤では動脈の直径が6cm、腹部大動脈瘤では5cm 以上の状態もしくは、拡張速度が速い場合、動脈瘤による症状がある場合に手術適応となります。大動脈瘤の手術は人工血管とご自身の大動脈とを縫い合わせ、置き換える方法もしくは、足の付け根の動脈からステント付き人工血管(ステントグラフト)を動脈瘤まで挿入して空置し、瘤に血圧がかからないようにする方法を行います。
ステントグラフト、胸部瘤に関しては、現在は当院での治療はできませんので、可能施設への紹介をさせていただいております。

閉塞性動脈硬化症

腹部や下肢の動脈が動脈硬化により閉塞に向かう病気です。近年、糖尿病の増加で重症な例が増えてきています。動脈病変部から末梢が酸素不足となり、さまざまな症状が出てきます。症状の重症度評価として4つの分類があります。Ⅰ度は冷感、しびれ感、Ⅱ度は間欠性跛行(歩くと下肢の筋肉が痛み、止まってしまう。休むとまた歩ける)、Ⅲ度は安静時痛、Ⅳ度は潰瘍や壊死で、Ⅰ度 →Ⅳ度へと重症となります。治療はⅠ度からⅡ度は薬物治療と運動療法が中心となります。Ⅲ度以上の場合やⅡ度以下でも上記の治療が効果ない場合にはカテーテル(血管内)治療や手術を行います。カテーテル治療は、血管造影と血管内エコーを併用し確認しながら病変部をカテーテルの先端に付いた風船で拡張し、その後、元に戻らないようにステントを留置します。手術は、ご自身の静脈や人工血管を使い、詰まった部位を迂回する新しい通り道 (バイパス)を作り、血流を回復させます。

下肢静脈瘤

下肢の静脈には重力に逆らって血液を心臓に送るために、逆流防止弁がいくつもあります。下肢静脈瘤は弁の閉まりが悪くなり、漏れて逆流を起こす ために主に下腿の静脈が膨らみ蛇行する病気です。かなり見た目が悪くても 症状がないこともありますが、血液のうっ滞症状(だるさやむくみ、けいれ ん)があります。症状は歩行や、下肢を挙上することで軽くなります。進行すれば静脈瘤の部位で知覚異常や皮膚炎を起こします。また、血栓ができて腫れたりすることもあります。長期になると皮膚は色素沈着し、治りにくい潰瘍となります。
治療にあたっては、症状の軽減のため弾性ストッキングを着用します。手術は患者さんが希望される場合や、病状が進行した場合に検討し、基本的には弁不全のため逆流する伏在静脈を抜去するストリッピング手術を行います。小さな静脈瘤に対しては、膨らんだ静脈瘤内に薬剤を注入して血管を塞栓する硬化療法も行っています。