トピック
検体検査部門は患者様から採取された検体材料について検査いたします。検体材料は血液、尿、胸水、腹水、便、病理組織などさまざまです。検体検査はさらに各部門に分かれて検査を行っております。
尿や便を調べることにより、各種臓器の異常を見つけます。
主に尿検査では試験紙で蛋白尿・尿糖・潜血反応等を調べます。また尿の細胞成分を顕微鏡で調べております。
便潜血検査は、便の中の見えない血液を専用機器でで調べる検査です。
便潜血検査によって、消化管からの出血の有無を調べます。大腸癌などの早期発見につながります。
また、検査室では、腹水、胸水、髄液などの体液検査も行っています。
尿検査
インフルエンザなど、各種迅速感染症検査を行っております。検査の所要時間は15分~20分です。
生化学検査は、患者様から採取した血液、尿、腹水などの体液を分析しております。
肝臓機能検査、腎機能検査、脂質代謝検査、糖代謝検査(糖尿病など)、電解質検査などで、どの部分に異常があるのか、栄養状態はどうかなどを迅速に検査を行います。
さらに検査データは、診断、治療効果、病態の程度や予後の判定の一助として用いることができます。
肝・胆道系機能検査 | AST、ALT、γ-GTP、ALP、LD、コリンエステラーゼ、ビリルビン分画など |
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腎機能検査 | 尿素窒素、クレアチニン、尿タンパクなど |
膵機能検査 | 総アミラーゼ 膵アミラーゼ |
心機能検査 | CK、CK-MB、心筋トロポニンT、ヒト心臓由来脂肪酸結合蛋白(H-FABP) |
糖代謝系検査 (糖尿病関連) |
血糖、ヘモグロビンA1c、グリコアルブミン |
脂質代謝検査 (動脈硬化検査) |
総コレステロール、中性脂肪、HDLコレステロール(善玉)、LDLコレステロール(悪玉)、RLP-コレステロール(超悪玉) |
生化学検査
糖尿病検査
腫瘍マーカーとは、腫瘍細胞から特異的に産生される物質を測定することで、がんの補助診断、や治療効果の判定および再発の経過観察として重要な検査です。また、がんの種類によってはいくつかのマーカーを組み合わせて検査することがあります。
肝炎検査では、B型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルスの検査を行っています。それぞれ」肝炎の診断の一助として重要な検査です。
ホルモン検査は、すい臓からのインスリン分泌機能の一指標とされるC-ペプチド検査や甲状腺ホルモン検査は、甲状腺機能亢進症のバセドウ病や機能低下症の橋本病などの診断の一助として欠かせない検査です。
腫瘍マーカー、肝炎、ホルモン検査
対象部位 | 検査項目 |
前立腺がん | PSA |
肝臓がん | AFP |
大腸など消化器系のがん | CEA |
膵臓ガン、胆道ガン | CA19-9 |
B型肝炎の診断 | HBs抗原 |
C型肝炎の診断 | HCV抗体 |
膵機能 | C-ペプチド |
甲状腺ホルモン | fT3 |
甲状腺ホルモン | fT4 |
甲状腺刺激ホルモン | TSH |
血液学検査は白血球、赤血球、血小板数を算定する検査です。白血球、赤血球数は、感染症、貧血など、さまざな病気によってその数が変化することから重要な検査です。また血小板は傷口を塞ぐときに重要な細胞です。
血液形態検査は血液細胞を顕微鏡により観察し調べます。色々な病気によって細胞が変化するため、重要な情報となります。
凝固線溶検査は、血液が固まる機能や、血栓症の原因となる血液凝固異常などを調べる検査です。
血液および形態検査
凝固線溶検査
患者様の身体に直接接して行う心電図、脳波、超音波検査などさまざま検査あります。生理機能検査は、痛みを伴うことはありません。
また被爆もなく、身体に無害で安心して検査が受けられます。
検査項目 | 検査所要時間または装着準備時間 | 受付方法 | どのような検査か |
心電図 (安静時心電図) |
5分 | 随時 | 心電図を記録することで脈拍が正常か、不整脈があるかなどがわかり、波形から心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患の有無を診断することもできます。 |
負荷心電図 | 10分 | 随時 | 1分30秒から3分ほど踏み台昇降運動を行っていただきます。運動に心電図をとり、不整脈などの変化があるかを確認する検査です。 |
ホルター心電図 | 5~10分 | 予約検査 | 小型のレコーダーを用い、24時間休まず心電図を記録する検査です。おもに不整脈や狭心症の状態を調べるために行われます。 |
イベント心電図 | 10~15分 | 予約検査 | 小型のレコーダーを6日間装着していただき、6日間の日常生活において異常な心電図が生じた時だけ記録する検査です。 |
呼吸機能検査 | 10分 | 随時 | 肺活量などを測定して、肺の異常を調べる検査です。主に呼吸器系疾患の診断の目的で行いますが、手術前など、全身状態のチェックを目的として行う場合もあります。 |
眼底検査 | 5分 | 随時 | 専用のカメラ用いて、瞳孔の奥にある眼底の血管、網膜を撮影することで、網膜の状態や出血の有無を調べる検査です。 |
脳波検査 | 60分 | 予約検査 | 脳波検査は頭皮に電極を装着し、脳の働きに伴って発生する微弱な電気活動を記録することで、脳の機能障害の有無やその程度、範囲などがわかります。 |
24時間血圧計(ABPM) | 10~15分 | 予約検査 | 日常生活下で24時間、血圧を定時的に測定する検査です。小型の自動血圧計を携帯して一日を過ごしていただきます。血圧の一日の変動を見ることができます。また薬による血圧コントロールが良好か否かの判定にも使えます。 |
落ち着いた状態でベッドに仰向けに寝ていただき、記録する心電図です。
小型のレコーダーを用い、24時間休まず心電図を記録する検査です。下の図に電極を装着し、小型モニタでで24時間連続で心電図の記録をします。
肺活量などを測定して、肺の異常を調べる検査です。主に呼吸器系疾患の診断の為に行いますが、手術前など、全身状態のチェックを目的として 行う場合もあります。
瞳孔の奥にある眼底という部分を、専用のカメラ用いて撮影することで、眼底の血管、網膜、視神経の状態、出血の有無を調べる検査です。
眼の病気だけではなく、血管の状態から動脈硬化なども発見します。
血圧脈波検査(CAVI)や血管内皮機能検査(FMD)は動脈の‘かたさ(硬化)’を検査することができます。この検査は、動脈硬化によって血管が狭くなったりあるいは詰まったりしてしまう前の
初期の段階の状態がわかるといわれております。
特に糖尿病、メタボリックシンドローム、高血圧症の方は、正常な方に比べ‘かたさ(硬化)’の程度が高いといわれており、これらの検査を行うことで、動脈硬化度の進展の有益な情報が得られ、また予防ということからも、活用していただきたい検査です。
この検査では、仰向けに寝た状態で両腕・両足首の血圧と脈波を測定します。検査は5分程度で、血圧測定と同じ感覚でできる簡単な検査です。動脈硬化が進行するほど高い値となります
FMD検査は腕を圧迫、開放後にどれだけ動脈が拡張するか
超音波でみる検査です。
血管内皮機能の値が低下していると広がりが悪くなります。
SPPとは、皮膚レベルの血流を評価する検査です。特に下肢動脈の血管病変の検査に有用とされています。測定したい場所に血圧計を巻き、加圧して皮膚の微小血管の流れをレーザーで測定します。
非侵襲的で痛みはほとんどありません。
頸動脈エコー検査では、超音波を首の頸動脈に当て、検査します。動脈硬化によって血管の壁が厚くなっていないか、血液の流れが悪くなっていないかなどを調べます。いわゆる動脈硬化そのものを‘かたち’としてみることができます。またその血管壁の厚さを計測(IMT)することができます。
超音波検査(エコー検査)とは、超音波を身体に当てて、各臓器からはねかえってくる音(通常,人の耳ではきこえない高い周波数)を映像化することで身体の内部の状態をみることができます。診断に用いる強さの超音波では生体に害がないとされています。
検査項目 | 検査時間 | 何がわかるのか? |
上腹部超音波 | 10~15分 | 肝臓の腫瘍や肝硬変などの病変。胆石の有無、膵臓や脾臓の病変など |
下腹部超音波 | 10~16分 | 腎臓結石、水腎症などの病変、前立腺癌などの病変、膀胱の病変 |
心臓超音波 | 20~30分 | 心臓の動きなど心不全の評価、弁膜症や血流の評価 |
甲状腺超音波 | 10分 | 甲状腺腫瘍、甲状腺肥大などの病変、甲状腺機能亢進症や低下症の評価 |
乳腺超音波 | 20分 | 乳腺症、乳腺腫瘍などの病変 |
下肢動脈・静脈超音波 | 60~90分 | 下肢の末梢動脈疾患や深部静脈血栓症などの血管病変の評価 |
シャント血管超音波 | 30分 | 透析患者様の人工血管のつまりや血流の状態の有無 |