
医療法人が運営するサービス付き高齢者向け住宅
良質で安心なぬくもりある
「生活」と「医療」を提供

- 玄々堂じんクリニック 院長
- 玄々堂君津病院 副院長
- 総合腎臓病センター センター長
「ウェル・ヴィレッジ」を開設したきっかけ
玄々堂君津病院は1972(昭和47)年よりこの地の医療を支えてきました。なかでも腎疾患治療や人工透析に力を入れてきましたが、患者様やご家族の高齢化が進み、病院に通うことさえ困難なケースが目立つようになりました。
人工透析を必要とする患者様にとって、週に3回の透析は命に関わる重要なことです。病院に通うことが難しい方のために、送迎バスの運行や在宅での透析も行なっていますが、バスの乗り降りさえできない患者様もいらっしゃいます。今暮らしている地域から離れ、透析のできる療養病院に入院するしかないと寂しそうに話す患者様もいらっしゃいます。
生きることを楽しんでいただく住まいの実現に向けて
私たちは、「生きるための医療」がスムーズに受けられない方が増えていることに危機感を覚えました。人工透析に限らず、年齢を重ねて病気になっても自分らしく暮らすことができるように、介護を連携させ、医療と生活を近くにすることが必要だと考えました。
もしも家のすぐ近くに透析クリニックがあったら、日常生活とごく近い治療空間を提供できれば……。食事・就寝・入浴などの日常生活と、命をつなぐ人工透析や、身体機能を維持・回復するためのリハビリテーション、これらが一体となった空間を実現したいと考えました。その上で、「最期の時まで、“生きる”ことを楽しんでいただきたい」ということも大切にしました。


目指したのは、透析ができるサービス付き高齢者向け住宅
そんな思いを具現化するところからスタートしたのが、「透析ができるサービス付き高齢者向け住宅」です。まずは、玄々堂君津病院に隣接した場所に、透析クリニックと通所リハビリテーションを併設した「ウェル・ヴィレッジ君津」を開設しました。
全国のサービス付き高齢者向け住宅を見学し、そこで得た知識や情報をもとに考えたのは、良質で安心な、ぬくもりある住空間を造ること。建築家とスタッフが話し合いを重ね、街角のような居住フロアが生まれました。共有スペースを広場に見立て、それぞれの家が囲んでいるイメージ。大きな窓からは陽光が降り注ぎ、明るく心地いい空間が創出されます。居住者様同士、あるいはスタッフとのコミュニケーションがスムーズになり、お互いの気配を感じながら暮らすことができる優しい空間です。
年齢を重ねると部屋に閉じ籠りがちになりますが、ドアを開ければ、そこは広場。おしゃべりに興じたり、趣味を楽しんだりできる“ご近所さん”がいます。部屋の外観もドアや窓枠の色を変え、それぞれの住まいに個性をつけ、楽しく軽やかな雰囲気にしました。



医療と介護のプロの連携のもと、自由とプライバシーを尊重
光があふれる明るく開放的な空間は、「医療と介護が連携する施設」からイメージする雰囲気はなく、見学に来られた方は驚かれます。自由とプライバシーを尊重し、入居者様の立場で考えたレイアウトを優先していますが、実はスタッフステーションからは全体を見渡すことができ、必要に応じたサポートがすぐに提供できます。また、細かな気配りができる優秀なスタッフは、入居者様同士の交流を促したり、一緒に楽しむことができるイベントやアクティビティを日々考えています。
「ウェル・ヴィレッジ君津」をオープンしたことで、生活と医療・介護がつながる環境を作ることができました。同じコンセプトで開設した「ウェル・ヴィレッジ木更津」はさらに進化し、外来で診療できるクリニックと小さい手術に対応できる設備を整え、エレベーターを降りれば診療を受けることができる安心を提供しています。


入居者様のより良い時間、穏やかな生活を実現
透析センターを持って治療をしてきた専門病院として、生活と医療をつなげたいという思いで造りましたが、それは一般の入居者様にとっても大きな安心感につながっているようです。
できることをご自身で行うことの楽しさ、日々の生活の中でできることを見つけることの喜びを感じていただきたい。そして、その先にある介護や医療をスムーズにつなげていけることができるのは、私たち「ウェル・ヴィレッジ」の強みです。
入居者様が自分らしくいられることを大切にし、安心・安全な居住環境を提供すること。私たちが思いを込めた空間とサービスが、入居者様にとってより良い時間、穏やかな生活を実現するものと自負しています。

